なぜ、今、UI(ユーザーインターフェイス)デザインの本を出そうと思ったのか。きっかけは2つあります。 1つは、外部で UI デザインの講師を務める中で感じた「UI デザインを体系的に学ぶための本が少ない」という課題感でした。 特に、スマートフォンアプリケーションなどのデジタルプロダクトをデザインするため に必要な基礎知識や考え方がまとまっている本が必要だと感じました。
もう1つは「知り合いで良いUIデザイナーいませんか?」「仕事の依頼はたくさん届くんだけどUIデザイナーの数が足りなくて......」といった周りの声です。 (肌感ですが)UIデザイナーになりたい人が増えてきて、必要とされる場面も増えてきたのに、初学者が学ぶ環境がまだまだ足りていない。 それをどうにかしたい、と思ったのが執筆のきっかけです。
近年、SketchやAdobe XD、Figmaなど、UIを作るツールはとても手に入りやすくなりました。無料で使えるツールもあるので、 環境さえ整えれば今すぐにでもUIを作り始めることができます。 ですが、ツールは単にパーツをレイアウトできるだけで、「どのように全体像を考えるのか」「レイアウトするパーツの使いどころをどのように知るのか」は教えてくれません。
ではそういった内容をどこで学べるかというと、現状はほぼ独学に近い状況と言えます。 インターフェイスデザインの専門書やAppleやGoogleが用意しているガイドラインなど、たしかに手がかりとなる情報はあります。 ですが、昨日今日でUIデザインを学びたい、と思った人に差し出す最初の1歩としては、ちょっとハードルが高いです。 一方でデザインツールと組み合わせやすい練習法としてUIトレースなどもありますが、基本理解がまだない状態でいきなりUIの具体化をおこなうのは少し危険でもあります。
この本は「はじめての」と付いているように、UIデザインを学びたい人を対象に、基本知識や考え方がひととおり身につくことを目指して書かれました。 第一線で活躍されているデザイナーの方々にお声がけをし、みなさんの経験や考え方を交えつつ、各章を執筆していただきました。 ぜひ、プロフェッショナルの生の考えや視点を取り入れてみてください。 最近はUIデザイナーが活躍する領域も拡がっており、特に海外では「プロダクトデザイナー」「デジタルプロダクトデザイナー」と呼ばれることも多くなってきました。 UIデザインだけを勉強すれば万全、ということはありませんが、UIデザインに興味を持ってこの本を手にとったあなたが、 UIデザインの楽しさを原動力に次なるステップに進むことを楽しみにしています。
製本版はロゴマーク入りの箱入り
ゆうパケットでお届け
発送の際には追跡番号をお知らせします
UIデザインを理解するための基本的な考え方や知識が学べる1冊ができたと思います。 とは言え本に書ける内容は限られますし、読むだけでは身につきません。 この本を読み終えたあなたが、目の前にひろがる大きく素敵な世界への一歩を踏み出してくれたら、書き手としてこれほど嬉しいことはありません。