『ゼロから創る暗号通貨』
おわりに
濵津 誠/hamatz
P2Pネットワーク、公開鍵暗号方式、そしてブロックチェーン。投資対象になるだとかならないだとか、そういうお金の話を抜きにして単純に暗号通貨は技術として面白い。
いわゆる仮想通貨バブルとでも表現すべき熱狂が過ぎ去った今だからこそ、この技術が持つポテンシャルや面白さをより多くの方たちに伝えたい、との想いから本書の企画は始まりました。
「暗号通貨のアーキテクチャがそういう理屈で成り立っているのであれば、こういうことができるのでは?」
そんな閃いたアイデアを気軽に実験してみるオモチャとして、SimpleBitcoinが一人でも多くの方々に楽しんでいただければ幸いです。
昔誰かが、「水に肉と豆腐だけ入れた鍋を作ってみんなに見せて回ったら、どんどん色んな具材を入れてくれて最後に美味い鍋になったのがAndroid」というたとえ話をしていました。その話が今もとても印象に残っています。
本書を機会に接点を持たせていただいた皆様との交流を通じ、SimpleBitcoinが進化を遂げ美味い鍋へと至る日が来るとしたら、著者としてこれに勝る喜びはありません。
本書出版にあたりまして、クラウドファンディングPEAKSでの支援は本当に力強い支えでした。アーリーアクセスでいただいたコメントにはシステム上返信できませんでしたが、この仕組みが本文のブラッシュアップにつながっていることは間違いありません。出資者の皆様に深く感謝いたします。
また、私の拙いPythonのコードをレビューいただき適切な書き方を何度もご提案くださった西林孝様。お陰さまで無駄な行を随分と減らすことができました。
文章のブラッシュアップのために全体の構成からさまざまなアドバイスを頂きました、編集の鹿野桂一郎様。書きたいことを書くだけの同人誌と書籍との違いを学ぶよい機会となり、なるほど編集者というのはここまで本づくりに影響を与える存在なのか!とはじめて知ることができました。
そして孤独な作業になりがちな執筆期間中、最後までさまざまにサポートいただいたROLLCAKE Inc.の永野哲久様、TechBoosterの主催の日高正博様。お二人の楽天的な言葉に何度も救われました。
最後になりますが、執筆優先でプライベートがおろそかになりがちな中、常に温かく見守ってくれた家族にも感謝します。
2018年 8月29日 濵津 誠